2005年 08月 01日
タバコ煙に含まれる40~60種類の発がん物質は、のどや肺など煙が触れるところに がんを作るだけでなく、飲み込まれて消化器のがんを作り、肺から血液中に吸収されて 全身の臓器のがんの原因になります。喫煙は予防できるがんの最大原因で、 喫煙者ががんにかかった場合、その半分以上の原因は喫煙にあります。 発がん物質には一般の毒物のように閾値〈いきち〉がなく、どんなに少量の喫煙、 受動喫煙でもがんの発生リスクが上がります。とくにイニシエーターに分類される 発がん物質は、たった1分子でもDNAを傷害する力があり、がん遺伝子を発現させます。 受動喫煙でもさまざまながんが発生します。受動喫煙によってすべてのがんが起こる 危険性1.6倍に増えますが、これは原子爆弾に2.5kmの至近距離で被爆する危険性に 匹敵します。発がん物質は主流煙よりも副流煙にはるかに多く含まれ、 環境タバコ煙にさらされている人は、喫煙者本人とさほど変わらぬ発がんリスクを 抱え込みます。とくに、ニトロサミンなど煙の気体成分に含まれる発がん物質の 吸入量は、8時間の受動喫煙によって能動喫煙約10本分にも相当します。 タバコが燃焼するときには、農薬や添加物がいっしょに低温で燃えるため、 大量のダイオキシンを発生します。主流煙よりも副流煙に数倍多く含まれますが、 主流煙でさえ化学工場の焼却炉から出る排煙の10~100倍のポリ塩化ジベンゾ ダイオキシンを含んでいます。 肺がんはいくつかの組織型に分かれ、そのうち扁平上皮がんと小細胞がんが、 とくに喫煙との強固な関係で知られています。腺がんは喫煙との関連が弱いと 従来考えられてきました。しかし近年の調査で、喫煙とけっして弱くない関連が あることがわかり、なおかつタバコの低ニコチン化が腺がんの発生率を上げている 可能性が示唆〈しさ〉されています。 受動喫煙が肺がんを起こすことは、今日までに多数の研究によって証明 されています。喫煙夫を持つ非喫煙妻、職場で受動喫煙にさらされている非喫煙者、 幼少時に家庭内受動喫煙にさらされていた人において肺がんが2~3倍になり、 リスクは受動喫煙量に相関します。受動喫煙と肺がんの関係は、専門家の間では 常識となっていますが、タバコ産業やタバコ産業に資金援助を受けている 研究者だけがこれに異を唱えています。 鼻腔〈くう〉・副鼻腔がんは喫煙によるリスク上昇が報告されているほか、 受動喫煙との関連も広く認知されています。喉〈こう〉頭がんは喫煙との関連が 非常に強く、ほぼ100%喫煙によって起こるがんです。気管・気管支がんや 肺悪性線維〈せんい〉性組織球腫〈しゅ〉は、報告される症例のほとんどが 喫煙者です。 【タバコ病辞典より】
by howsoonjp
| 2005-08-01 09:51
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