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楽しむ禁煙:心も体も自由へ羽ばたこう!

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2005年 07月 09日

「学校の敷地内禁煙を推進して学んだこと」

全国で最初に全部の公立学校の敷地内禁煙を実施した和歌山県の教育研修所、
所長の話しです。

敷地内全面禁煙を実施すると禁煙に挑戦する先生がどんどん増えるし、
運動会や授業参観日に保護者も禁煙するので、とってもいいことですね。

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和歌山県教育研修センター紀南教育研修所 所長 北山敏和 

 敷地内禁煙になるとほんとに空気がきれいになったことが実感できて、毎日がとても
気持ちいいですよ。「ああ、これが普通なんだ、本来の姿なんだ」と改めて思います。

 和歌山では敷地内禁煙を破っても罰則はありませんから、残念ながら隠れ喫煙室を
作り校長が率先して吸っている学校や、こっそりと教官室で吸っている学校も実はまだ
あるのです。しかし、他府県でも敷地内禁煙の学校が増えてくると、とてもいい
プレッシャーになって、こういう状態も解消されると思います。いずれにしろ、これまでの
ように生徒の前でも妊娠中の女性のそばでも平気で吸うという状況はもはや昔話と
なりました。

 敷地内禁煙に関して私が一番学んだことは、これは喫煙者にとって一番のメリットだと
言うことです。実施されるまで、「非喫煙者にはメリットだけど、喫煙者には少々我慢して
もらわなければいけない。」と考えていました。しかし、実施してみると、これをきっかけに
多くの人が喫煙をやめ、本人、家族とも大喜びです。

 たばこは1本吸うごとに健康のリスクが高くなるのですから、たばこの吸えない環境が
増えることは喫煙者にとってとてもメリットだったのですね。隠れ喫煙室を作り喫煙者に
“配慮している”学校では、結局ずるずると喫煙を続ける結果になります。
これは「分煙」でも同じです。分煙では喫煙量は多少減ることはありますが、思い切って
たばこをやめるという人はほとんどいません。分煙は非喫煙者を守ることにつ
ながりますが喫煙者を薬物依存から救うことは出来ないのです。

 ところで和歌山が「分煙」にとどまることなく「敷地内禁煙」まで進んだのには次のような
例があったからです。

・職員室を禁煙にしたために事務室が喫煙場所になり、そこで
 働く非喫煙者がこれまで以上につらい思いをすることになった。
 (弱い立場の人が被害を受ける)
 
・全職員が休むことが出来た休憩室が喫煙室になり、非喫煙者や
 妊娠している先生が休んだり、お茶を飲んだりするところが
 なくなった。(喫煙者の都合が優先される)
 
・時間禁煙にすると、禁煙時間の前と禁煙時間のあとが煙もうもうの
 ひどい状態になった。(禁煙時間以外は堂々と吸う)
 
・分煙のために喫煙室を作っても、ドアを開けるたびに煙と臭いが
 流れ出し、たばこを吸っていることが生徒にもよく分かる。先生に
 用のある生徒が喫煙室まで先生をさがしにいくこともある。
 (学校には生徒に見えないところ、生徒は立ち入らないところがない。)
 
・分煙では禁煙する人がほとんなく、結局いろんな場面で吸ってしまう。
 
・運動会や授業参観日に保護者の喫煙が絶えない。また外来者も学校内で
 喫煙をする。
 

1日も早く全国の学校がさわやかできれいな空気で満ちることを祈っています。

by howsoonjp | 2005-07-09 18:34


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